こんにちは。りっちゃんです。
今回は、電気系職種に関連する資格の一つ「技術士(電気電子部門)」についてまとめてみました。
「技術士(電気電子部門)」は電気電子に関するの専門知識とスキルを持つことを認める国家資格です。
電気電子に関する幅広い知識を保有し、実務経験を積んだ後に取得できる資格です。
技術者としての信頼性や専門性を高めるために取得されることが多く、電気電子関連の仕事に興味がある方にとって価値のある資格と言えます。
理想とする自分を目指して頑張りましょう!
ポイント
◎資格区分:国家資格
◎試験日:年1回
一次試験:11月下旬
二次試験:筆記試験 7月中旬、口頭試験 12月上旬~翌年1月
◎合格発表日:
一次試験:翌年2月下旬
二次試験:筆記試験 10月下旬、口頭試験 翌年3月中旬
◎合格率:(令和5年)
一次試験 38.2%
二次試験 9.2%
◎資格保有者の強み:電気電子部門における科学技術に関する技術的専門知識、高等な専門的応用能力、豊富な実務経験、高い技術者倫理を保有することを客観的に証明できる。
(科学技術の応用面に携わる技術者として最も権威のある資格)
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「技術士(電気電子部門)」とは?
技術士は技術士法に定められる国家資格です。
第二次世界大戦後に、アメリカのコンサルティングエンジニア制度を参考に「技術士制度」は創設されました。
「科学技術に関する技術的専門知識と高等の応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた優れた技術者」の育成を図るための、国による資格認定制度(文部科学省所管)です。
さらに、「技術士」は、「技術士法」により高い技術者倫理を備え、継続的な資質向上に努めることが責務となっています。「技術士」は、産業経済、社会生活の科学技術に関する、ほぼ全ての分野(21の技術部門)をカバーし、先進的な活動から身近な生活にまで関わっています。
公益社団法人日本技術士会
基本情報
受験資格
一次試験:年齢・学歴・業務経歴等による制限なし。誰でも受けられます。
二次試験:一次試験合格or日本技術者教育認定機構(JABEE)認定コースを修了+規程の期間実務経験を積んだ方。
受験期間
一次試験:年1回/11月下旬
二次試験:年1回/筆記試験7月中旬・口頭試験11月下旬~1月中旬
受験場所
<一次・二次(筆記試験)共通>
北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県
<二次:口頭試験>
東京都
受験費用
※1技術部門につき
一次試験:11,000円(非課税)
二次試験:14,000円(非課税)
検定内容
【一次試験】
※マークシート形式(五肢択一式)
■基礎科目:
科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題
■適性科目:
技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性を問う問題
■専門科目:
受験者があらかじめ選択する1技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題
<電気電子部門の専門科目>
発送配変電/電気応用/電子応用/情報通信/電気設備
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合格者は「技術士補」登録申請が可能となります。
登録手続きを行うと“技術士補”となります。
【実務経験】
3パターンあります。
❶ 「技術士補」 ⇒ 指導技術士の下での4年を超える実務経験
❷ 修習技術者(技術士補となる資格を有する者) ⇒ 職務上の監督者の下での4年を超える実務経験(修習技術者となった後の経験)
❸ 修習技術者(技術士補となる資格を有する者) ⇒ 7年を超える実務経験(修習技術者となる前の経験も算入できる)
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【二次試験】
■筆記試験 ※記述式
必須科目:「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
<出題内容>
現代社会が抱えている様々な問題について、「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題としての観点から、多面的に課題を抽出して、その解決方法を提示し遂行していくための提案を問う。
選択科目:「選択科目」についての専門知識及び応用能力並びに問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
<出題内容>
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として、「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い、多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して、その遂行方策について提示できるかを問う。
■口頭試験(筆記試験合格者のみ)
技術士としての適格性等について口述により実施。
合格率
技術士(電気電子部門のみ)
★受験者に対する合格率
【令和5年度】1次試験 38.2%、2次試験9.2%(JABEE修了者で内数6.5%)
【令和4年度】1次試験 36.5%、2次試験9.7%(JABEE修了者で内数3.8%)
【令和3年度】1次試験 33.1%、2次試験10.0%(JABEE修了者で内数16.1%)
【令和2年度】1次試験 48.3%、2次試験13.0%(JABEE修了者で内数12.5%)
【令和元年度】1次試験 51.8%、2次試験12.2%(JABEE修了者で内数9.3%)
「技術士(電気電子部門)」の勉強方法
技術士(電気電子部門)の資格取得のためにはどのように勉強をしたら良いのでしょうか?
参考書で学ぶ
参考書を購入し、独学で勉強することも可能です。
「技術士第一次試験「電気電子部門」択一式問題200選」シリーズ( 日刊工業新聞社)
技術士第一次試験(電気戦士部門)の過去5年分の試験問題を中心にまとめた厳選問題集。約200問が収録されています。
幅広くカバーされていますが、分野系統別に問題を解いて学ぶことが出来ます。
技術士第二次試験「電気電子部門」過去問題解答例集( 日刊工業新聞社)
上記以外にも第二次試験の筆記試験・口頭試験それぞれの対策本などもあるため、自分の苦手な部分だけピンポイントに深く学ぶのも良いでしょう。
通信講座で学ぶ
自宅にいながら学べる通信講座もオススメです。
一般的に「簿記」のような文系職種の資格取得のイメージがありますが、技術系の資格も取り扱っている通信講座もあります。
資格試験の通信講座【アガルートアカデミー】
アガルートアカデミーは法律系の難関国家資格を得意とする通信講座ですが、技術士の資格取得を目指す方向けの講座も用意しています。
進学型の予備校よりも安価であるのも嬉しいところ。
『初学者(はじめて学習する方)』『学習経験者』それぞれに対しての講座・カリキュラムが用意されているので、自分のレベルに合った指導を受けられます。
おすすめポイント
❶講義は全て収録されたオンライン映像にて受講可能
オンライン講座なので場所や時間問わず、自分のペースで学習が可能です。
また、「倍速再生機能」「音声ファイルのダウンロード」「マルチデバイス(パソコン/スマートフォン/タブレット)」に対応しています。
❷通信講座ならではの充実したフォロー
Facebookグループによる質問対応、定期カウンセリング、直接指導など、通信講座でも受験生をしっかりフォローします。
技術講座専門の『JTEX』
技術講座専門のJTEXでは、技術士一次試験対策講座「電気電子部門」(「基礎科目・適性科目」含む)の受講が可能です。
技術士になるための、一次試験(基礎科目+適性科目+専門科目「電気電子部門」)合格の為の知識を養成します。
- 受講期間6ヶ月
- テキスト3冊(「基礎科目・適性科目」:2冊・「専門科目:電気電子部門」:1冊)
- レポート回数:必修課題6回、自由提出課題2回
「技術士(電気電子部門)」のキャリアパス
技術士(電気電子部門)のキャリアパスは、電気電子分野における専門知識と経験を基盤に、さまざまな職務や役割を担うことができます。
以下に、技術士(電気電子部門)の一般的なキャリアパスの一例をご紹介します。
技術者/設計者
キャリアの初期段階では、機械設計やシステムの開発など、実務的な技術者としての役割に従事することが一般的です。
製品やシステムの仕様策定や設計、評価などの業務に携わります。
プロジェクトマネージャー
経験を積み重ねると、プロジェクトマネジメントの役割に進むことができます。
プロジェクトマネージャーの役割としては、まずプロジェクト全体の計画を立てて進行状況を管理し、適切なリソース配分を行うことでスケジュールの遅れを防ぎます。
また、プロジェクトチームを統率してメンバー間のコミュニケーションを円滑にし、問題解決や意思決定を行いながらプロジェクトを成功に導くことも重要です。
さらに、プロジェクトにおけるリスクを評価し、そのリスクを最小限に抑えるための対策を講じることもプロジェクトマネージャーの重要な役割です。
技術専門職
電気電子部門のスペシャリストとしてのキャリアを歩むこともできます。
- 研究開発(R&D):新しい技術や製品の研究開発に携わります。イノベーションを推進し、企業の競争力を高めます。
- 技術コンサルタント:専門的な知識と経験を活かして、企業や公共機関に技術的なアドバイスを提供します。問題解決やプロジェクト支援を行います。
- 教育・研修:大学や専門学校での教職や、企業内での技術研修の講師として活動します。次世代の技術者を育成します。
管理職/リーダーシップ役職
チームや部門の管理職やリーダーシップ役職に進むことも考えられます。
エンジニアリングチームの指導や戦略的な意思決定、ビジネス目標の達成に向けた組織のマネジメントを担当します。
- 部門マネージャー:技術部門のマネージャーとして、複数のプロジェクトを統括し、部門の運営を担当します。予算管理や人材育成にも責任を持ちます。
- 上級管理職:更にキャリアを進め、技術担当の役員やCTO(最高技術責任者)など、企業の上級管理職に進出することができます。企業全体の技術戦略を策定し、実行します。
起業と独立
独自のビジネスを展開する道もあります。
- スタートアップの設立:自身のアイデアや技術を基に、スタートアップ企業を設立することができます。新しい製品やサービスを市場に投入し、ビジネスを拡大します。
- フリーランスエンジニア:フリーランスとして独立し、複数の企業と契約を結んでプロジェクトを遂行します。柔軟な働き方が可能です。
これらは一般的な技術士(電気電子部門)のキャリアパスの一例ですが、実際のキャリアパスは個人の選択や環境によって異なる場合があります
継続的な学習や経験の積み重ね、さらなる専門性の磨きを重視することで、技術士(電気電子部門)としてのキャリアを築いていくことができます。