こんにちは。りっちゃんです。
今回は、電気設備の設計や施工、保守点検を行うために必要な国家資格「電気工事士」の資格についてまとめてみました。
この資格を取得することで、一般家庭から工場、オフィスビルまで、さまざまな場所での電気工事が可能になります。
さらに、資格には第一種と第二種があり、それぞれが担当できる工事範囲や業務内容に違いがあります。
「電気設備の設計や電気工事」の分野でキャリア形成を目指されている方は、成長の助けとして「電気工事士」資格取得を目指されてはいかがでしょうか?
ポイント
◎資格区分:国家資格
◎試験日:年2回(上期・下期)
第一種:
上期:学科試験4月上旬~5月上旬、技能試験7月上旬
下期:学科試験9月上旬~9月中旬、技能試験11月下旬
第二種:
上期:学科試験4月下旬~5月下旬、技能試験7月下旬
下期:学科試験9月下旬~10月下旬、技能試験12月中旬
◎合格発表日:
第一種:
上期:学科試験5~7月、技能試験7~8月
下期:学科試験9~11月、技能試験12月
第二種:
上期:学科試験6~7月、技能試験8~9月
下期:学科試験10~12月、技能試験12月~翌1月
◎合格率:
第一種:筆記試験50%台、技能試験60%台
第二種:筆記試験50~60%、技能試験70%台
◎資格保有者の強み:種別によって扱える電圧が異なるが、電気工事(配線工事や電気設備工事)を遂行することが可能であることを証明できる。
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「電気工事士」資格とは?
電気工事士は一般財団法人電気技術者試験センターが実施している国家資格です。
電気工事士は第一種と第二種があり、第二種では一般住宅、小規模なビルなどの電圧が600V以下の電気工事(配線工事や電気設備工事)などが可能となります。
第一種ではビルや工場などの最大電力が500kW未満の電気工事(配線工事や電気設備工事)などが可能となります。
第一種も第二種と同様に学科試験+技能試験(実技)で合否が決まります。
学科試験の合格者と学科試験免除者が技能試験(実技)に挑戦できます。
電気工事士ってなんだろう?
ビル、工場、商店、一般住宅などの電気設備の安全を守るために工事の内容によって、一定の資格のある人でなければ、電気工事を行ってはならないことが、法令で決められています。
一般財団法人電気技術者試験センター
その資格のある人を電気工事士といいます。
基本情報
受験資格
第二種は受験資格が特にないため、電気系の職種を志望する方の多くが一番最初に取得を目指す資格です。
第一種も受験資格も特にはありませんが、免状交付のためには試験合格(学科・実技)+3年以上の実務経験が必要となるため、職務の経験者にオススメの資格です。
※実務経験の時期は、試験の合格前・合格後でもいずれもOKです。
受験期間
2024年は第一種・第二種ともに2回(上期・下期)試験が実施されます。
学科試験と技能試験は別日に実施されます。
また、学科試験もCBT方式を選ぶか、筆記方式を選ぶかででも、試験日が変わります。
第二種試験
第二種は、上期については学科試験は4月下旬~5月下旬、技能試験は7月下旬に実施されます。
(学科試験:CBT方式が4月下旬から5月上旬の18日間、筆記方式は5月下旬の1日程です。)
下期については、学科試験は9月下旬~10月下旬、技能試験は12月中旬に実施されます。
(学科試験:CBT方式が9月下旬から10月上旬の18日間、筆記方式は10月下旬の1日程です。)
第一種試験
第一種は、上期については学科試験は4月上旬~5月上旬、技能試験は7月上旬に実施されます。
(学科試験:CBT方式が4月上旬から5月上旬の39日間、筆記方式はありません。)
下期については、学科試験は9月上旬~9月中旬、技能試験は11月下旬に実施されます。
(学科試験:CBT方式が9月上旬から9月中旬の18日間、筆記方式は10月上旬の1日程です。)
受験場所
学科試験
学科試験(筆記方式・CBT方式)は各都道府県での受験となります。
県によっては複数市で実施される場合もあります。
技能試験
技能試験も各都道府県での受験となります。
こちらも、県によっては複数市で実施される個所もあります。
受験費用
受験される種別と申し込み方法によって受験手数料は異なります。
令和6年度から原則インターネット申し込みになりましたし、書面での申し込みの方が金額が高くなるため、インターネット申し込みの方が手間や手数料を考えると断然お勧めです。
インターネット申し込み | 書面申込 | |
---|---|---|
第一種試験 | 10,900円 | 11,300円 |
第二種試験 | 9,300円 | 9,600円 |
※非課税です。
※学科試験免除者も同様の金額となります。
検定内容
学科試験については第一種試験、第二種試験ともに四肢択一方式です。
回答方法は筆記方式(マークシートで回答/全国一斉試験)とCBT方式(コンピューター上で回答/試験期間内に受験)から選べます。
※令和6年度の上期の第一種試験の回答方法はCBT方式(コンピューター上で回答/試験期間内に受験)のみ。
技能試験は、持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる方法で行います。
詳細は一般財団法人電気技術者試験センターのホームページで確認が出来ます。
第二種試験:
1)学科試験(四肢択一方式※マークシートorパソコン)
<科目詳細>
1.電気に関する基礎理論
①電流、電圧、電力及び電気抵抗 ②導体及び絶縁体 ③交流電気の基礎概念 ④電気回路の計算
2.配電理論及び配線設計
①配電方式 ②引込線 ③配線
3.電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
①電気機器及び配線器具の構造及び性能 ②電気工事用の材料の材質及び用途 ③電気工事用の工具の用途
4.電気工事の施工方法
①配線工事の方法 ②電気機器及び配線器具の設置工事の方法 ③コード及びキャプタイヤケーブルの取付方法 ④接地工事の方法
5.一般用電気工作物等の検査方法
①点検の方法 ②導通試験の方法 ③絶縁抵抗測定の方法 ④接地抵抗測定の方法 ⑤試験用器具の性能及び使用方法
6.配線図
配線図の表示事項及び表示方法
7.一般用電気工作物等の保安に関する法令
①電気工事士法、同法施行令及び同法施行規則 ②電気設備に関する技術基準を定める省令 ③電気用品安全法、同法施行令、同法施行規則及び電気用品の技術上の基準を定める省令
2)技能試験(実技※作業用工具は持参)
配線図で与えられた課題を、支給される材料で時間内に完成させる。
<詳細>
①電線の接続 ②配線工事 ③電気機器及び配線器具の設置 ④電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法 ⑤コード及びキャブタイヤケーブルの取付け ⑥接地工事 ⑦電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定 ⑧一般用電気工作物等の検査 ⑨一般用電気工作物等の故障箇所の修理
第一種試験:
1)学科試験(四肢択一方式※マークシートorパソコン)
<科目詳細>
1.電気に関する基礎理論
①電流、電圧、電力及び電気抵抗 ②導体及び絶縁体 ③交流電気の基礎概念 ④電気回路の計算
2.配電理論及び配線設計
①配電方式 ②電線路 ③配線
3.電気応用
照明、電熱及び電動機応用
4.電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
①電気機器。蓄電池及び配線器具の構造、性能及び用途 ②電気工事用の材料の材料の材質及び用途 ③電気工事用の工具の用途 ④受電設備の設計、維持及び運用
5.電気工事の施工方法
①配線工事の方法 ②電気機器、蓄電池及び配線器具の設置工事の方法 ③コード及びキャプタイヤケーブルの取付方法 ④接地工事の方法
6.自家用電気工作物の検査方法
①点検の方法 ②導通試験の方法 ③絶縁抵抗測定及び絶縁耐力試験の方法 ④接地抵抗測定の方法 ⑤継電器試験の方法 ⑥温度上昇試験の方法 ⑦試験用器具の性能及び使用方法
7.配線図
配線図の表示事項及び表示方法
8.発電施設、送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
発電施設、送電施設及び変電施設の種類、役割その他の基礎的な事項
9.一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令
①電気工事士法、同法施行令及び同法施行規則 ②電気事業法、同法施行令、同法施行規則、電気設備に関する技術基準を定める省令及び電気関係報告規則 ③電気工事業の業務の適正化に関する法律、同施行令及び同法施行規則 ④電気用品安全法、同法施行令、同法施行規則及び電気用品の技術上の基準を定める省令
2)技能試験(実技※作業用工具は持参)
配線図で与えられた課題を、支給される材料で時間内に完成させる。
<詳細>
①電線の接続 ②配線工事 ③電気機器、蓄電池及び配線器具の設置 ④電気機器、蓄電池、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法 ⑤コード及びキャブタイヤケーブルの取付け ⑥接地工事 ⑦電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定 ⑧自家用電気工作物の検査 ⑨自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理
合格率
第一種・第二種試験ともに年に2回試験があり、第一種の合格率は筆記試験が50%台、技能試験が60%台です。
第二種の合格率は筆記試験が50~60%、技能試験が70%台です。
「電気工事士」資格の勉強方法
「電気工事士」の資格取得のためにはどのように勉強をしたら良いのでしょうか?
公式ホームページの過去問題を解く
一般財団法人電気技術者試験センターの公式ホームページにて、2009年以降の過去問題が学科・技能試験ともに無料で閲覧可能となっています。
解答も公開されているので、まずは自分の実力を試してみたい方や一定の電気知識をお持ちの方は、過去問に取り組み出題傾向をするだけでも試験に合格できる可能性はあります。
参考書で学ぶ
基礎知識に不安がある、過去問を解くだけでは理解が不十分だと感じる方は、参考書を購入し独学で勉強することも可能です。
「すい~っと合格」シリーズ( 発行元:ツールボックス)
「すい〜っと合格」シリーズ ※電気工事士全国トップレベルの第一種合格者数を輩出した工業高校の指導法がベースとなっている参考書です。
最短合格のために抑えるべきポイントがカラー&絵や写真でキレイにまとめられているため、初心者にもおすすめです。
過去問と答え&解き方も収録されているので、学んだ知識の習得を確認することもできます。
「これ1冊で最短合格」シリーズ( 発行社:秀和システム)
「これ1冊で最短合格」シリーズ ※電気工事士受験指導の「資格の鉄人」として有名な高田實氏が著者のテキスト&問題集です。
各項目の冒頭で要点が把握できるように学習のアドバイスがまとめられており、出題される重要ワードの関連性と全体像が一目でわかるキーワードマップで学習効果も高まります。
各章の最後に学習知識の定着を図るための問題も用意されています。
技能試験対策
技能試験の練習用に電線や器具がセットになっている商品も販売しています。
以下の商品は、電線名称タグが貼りついていたり、技能試験の候補問題もセットになっているため、これさえあればしっかり技能試験の対策を行うことができます。
【電光石火ブランド】電気工事士技能試験セット
合格率が飛躍的にアップする電気工事士技能試験セットを販売している、ヨコモリ電池屋コーポレーションの電光石火ブランド商品。
累計2万セットを販売している人気商品です。
試験当日に使う、電線や器具などが全て用意されていますし、テキスト付や工具付きなどバリュエーションが豊富なのも魅力です。
【準備万端シリーズ】電気工事士技能試験練習用材料の購入、レンタル
準備万端シリーズは、20年以上も支持されてきた試験対策商品の決定版です。
ここまで紹介してきたものは全て購入セットのものでしたが、このシリーズではレンタル練習材料セットを用意しており、お得な料金で貸し出しするサービスを提供されているところが、他のサービスと異なります。
オンライン学習サービスで学ぶ
独学で学ぶのには限界があると感じている方には、オンライン学習サービスを利用するという選択肢もあります。
様々な資格学習が1078円でウケホーダイ!【オンスク.JP】
60講座以上の資格学習コンテンツが利用可能な月額定額サービス【ウケホーダイ】。
マルチデバイス対応なので、場所を選ばず学習が可能です。
様々な講座がありますが、オンスク.JP内には「はじめての第二種電気工事士講座」というコンテンツがあります。
講義動画・問題演習・ダウンロード教材つきで、学習の進捗管理もすべてWEB上で出来ます。
講義動画は全87回(約16時間)、問題演習は全115問と満足のサービスボリュームです。
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