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機械設計の業務についていけないと感じた時の対処法

2024年1月9日

りっちゃん

「資格×キャリア」にまつわる本サイトの管理人。

★年齢:30代
★職業:人生の転機に関わる仕事
★家族構成:個人事業主の夫と小学生の子どもとの3人家族
★趣味:家族、仕事、WEBマンガ、ブログ運営

こんにちは。りっちゃんです。
今回は「機械設計職」の仕事にフォーカスした記事を書きたいと思います。

機械設計の仕事と言うと、ゼロからイチを生み出す面白そうな仕事、工学系の学校に進んだ方にとっての花形の仕事…という印象もありますが、キラキラした部分だけではありません。
実務を経験することで、「思っていたよりも大変だ」「ついていけない」と感じた現役機械設計エンジニアの方も少なくないのではないでしょうか?

抱えている悩みは皆似通っています。あなただけではありません!
そこで、機械設計エンジニアにはどんな大変さがあるのか、そもそもこの仕事に向いている人はどんな人なのか、つらい状況をどうやって乗り越えているのか、具体的な方法をまとめました。

こんな方におすすめ

  • 【現役機械設計エンジニア】仕事についていけなくて悩んでいる方
  • 【現役機械設計エンジニア】仕事をするのが辛いと感じている方
  • 【機械設計エンジニア志望】機械設計の仕事の面白さ・大変さを知りたい方
  • 【機械設計エンジニア志望】機械設計の仕事が向いている人・向いていない人を知りたい方

Table of Contents

機械設計エンジニアが「つらい、やめとけ」と言われる理由

頭を抱える男性

一見、機械設計エンジニアはモノづくりの花形ポジションのように感じますが、「つらい」「やめとけ」とも言われているのはなぜでしょうか?

私自身も機械設計経験のある転職希望者の方とお話をする機会は多々ありましたが、「機械設計」という仕事は続けたいけれど、業界・会社の将来性に不安、働き方・待遇に不満を感じて転職活動をされている方が多かったように思います。
「機械設計を続けたい」と考えている方の多くは、一定期間機械設計エンジニアとして経験を積み、自分のスキルにある程度の自信をお持ちの方々でした。
自信をつける前、やりがいを見出す前に離脱してしまった方にとっては”機械設計=つらい”という認識をお持ちかもしれませんが、必ずしも機械設計は皆が嫌がる仕事ではなく、定年まで設計技術者一筋!というベテラン層も多くいます。

前置きが長くなりましたが、今回は機械設計という仕事自体に対してマイナスな感情を抱く可能性の高い経験5年未満くらいの方をイメージして読み進めて頂ければと思います。

覚えなければいけないことが多い/常に情報をアップデートしないとついていけない

機械設計は多岐にわたる技術領域を含むため、学習難易度が高いです。
常に新しい情報を取り入れ学び続ける姿勢が重要となります。
学びに終わりのない点や、意味が全く理解できない時にストレスを感じて「つらい」と感じる方がいます。
ただし、段階的に学ぶことで、徐々に専門知識を蓄積し、プロの機械設計者として成長することが可能です。

【機械設計を学ぶ上での難しさの要因】

❶広範な知識領域:
機械設計には機械工学、材料工学、制御工学、電気工学など、多岐にわたる知識が必要となります。
複雑な計算と解析:
機械設計では、構造解析、熱伝導解析、動力学解析など、複雑な数学的手法を身につける必要があります。
CADソフトウェアの習熟:
コンピュータ支援設計 (CAD) ソフトウェアは機械設計の中で重要なツールです。
これらのソフトウェアを使いこなすことが求められます。
実務経験の重要性:
理論的な知識だけでなく、実際のプロジェクトでの経験も機械設計において重要です。
実務経験を通じて問題解決能力や設計スキルを向上させることが必要です。
技術の進化への追従:
技術は絶えず進化しており、新しい材料や設計手法が登場します。
機械設計者は最新の技術動向に追従し、学び続ける必要があります。

ゼロからイチを生み出す仕事のため、模範解答がないという意味で「仕事の終わりが見えない」ことをつらいと感じる方も一定数いるようです。
ただ、この点は機械設計の面白さでもあるため、創造的な仕事が好きな方には向いています。

業務量が多すぎる/納期を守るために残業が多い

機械設計の仕事における残業の度合いは、企業やプロジェクトによって異なります。
例えば、プロジェクトの進捗度合いが芳しくなく納期が迫っている状況では残業が発生しやすいです。
また、一部の産業や企業では新製品開発のスパンが短く、プロジェクトを迅速に進める必要があり、残業が発生しやすくなります。

その他、プロジェクト中に設計変更や予期せぬトラブルが発生した場合、その対処をする為に追加の時間が必要となることもあり、残業が発生します。

機械設計エンジニアであったとしても、企業によって業務範囲は異なります。
そのため、製造プロセスの中で機械設計エンジニアがカバーする業務範囲が広い場合、残業が発生しやすいだけでなく、機械設計の仕事に集中できないといった不満を感じる方もいます。

一方で、企業によっては働き方改革やワークライフバランスの重視が進んでおり、残業を極力抑える取り組みを行っているところもあります。機械設計の職場において残業がどれだけ発生するかは個別の状況に依存するため、労働環境や方針を確認することが重要です。

会社や業界によっては将来性が不安

機械設計エンジニアの中には会社や業界の将来性を不安視している方もいます。

在籍中の会社の「技術革新と競争力」は大事なポイントです。
企業が新しい技術や製品の開発に積極的であり、市場での競争に勝ち抜くための取り組みを行っているかどうかは重要です。
新しい技術や製品開発に消極的である場合、機械設計エンジニア自身の成長にもつながらず、会社の衰退も予見出来てしまうため、働き続けるのがつらくなってしまいます。

また、「財務の健全性」もポイントです。
企業の財務状態は、給与や福利厚生だけでなく、プロジェクトの資金調達、設備投資などにも影響を与えます。
収入面が落ち込む懸念がもちろんのこと、自分たちが携わっているプロジェクトの存続や新製品開発にも取り組みづらい環境は、エンジニアにとっては望ましくありません。

例えば、直近の動向で言えば、ガソリン車用の部品を扱っているメーカーで勤務をされている方などが、将来性を危惧してEV車関連メーカーへの転職を希望されるケースがあります。

「機械設計」がつらいという話とは少し異なりますが、機械設計エンジニアとしてつらい思いをすることなく長く働き続けるのであれば、どの業界・どの会社へ就職するのがベストなのかはよく考える必要があります。

技術職を軽んじる風潮がある

一般的に技術者に対する評価は高まっていますが、社会や文化によっては技術者を軽んじる傾向が依然として存在することがあります。
軽んじられることで、以下のような問題が発生することがあります。

クライアントの要望と技術的実現性のギャップ:
営業担当者がクライアントの要望を受け、それを機械設計者に伝える際に十分なコミュニケーションがなされず、技術的な実現可能性に関する不明瞭な点やギャップが発生し、プロジェクトの進行に支障をきたす場合があります。
機械設計担当として関わる以上、出来上がった製品には「責任」が伴うため、中途半端な状態でプロジェクトを進行すること自体がストレスになります。
プロジェクトスケジュールへの理解不足:
営業担当者がクライアントとの契約やプロジェクトスケジュールを決定する際、機械設計者と十分なコミュニケーションがなされず、技術的な制約や設計に必要な時間の見積もりが適切に考慮されないことがあります。
※例:見積りを出した後に設計費用の交渉を受ける。
適切なリソース分配がなされない:
プロジェクトに必要なリソース(ヒト・モノ・カネ)が不足している場合であっても、他プロジェクトを優先されるなどして適切なリソースが分配されない場合は作業がしづらく、また残業増加にもつながります。
※これには適切なツールやソフトウェア、テスト環境、物理的な設備などが含まれます。
プロジェクトの優先順位の度重なる変更:
プロジェクトの優先順位が頻繁に変更されると、機械設計者は計画が立てられません。
安定した進行が難しくなり、ストレスの原因となります。

クライアントからの要望をどれくらいで対応可能なのか、そもそも実現可能なのかも確認せずに受注されてしまうと、機械設計担当としてはたまったものではありません。
これらの不満は、各担当者とのコミュニケーションの不足や理解の齟齬が原因で発生することが一般的です。
組織内のプロセスやコミュニケーションの改善、必要なリソースやサポートを適切に伝えることによって軽減される可能性があります。

機械設計に向いている人の特徴

自信のある男性

ここまで機械設計の「つらい」部分にフォーカスして記載をしてきましたが、世の中には機械設計に従事されている方はたくさんいますし、みんながみんな「つらい」と思いながら仕事をしているわけではありません。
職業人として生涯機械設計に携わっている人も中にはいらっしゃいます。
では、機械設計が向いているのはどんな人なのでしょうか?

モノづくりが好きな人

大前提、「モノづくりが好き!」という気持ちは外せません。
この気持ちがない方は、メーカーでの技術職には向いていないかもしれません。

モノづくりが好きな方でも、ゼロからイチを生み出すのが好きな人は機械設計向きです。
逆に、プラモデルなど既存製品をいじるのが好きな人は製造ラインでの勤務や整備士などが向いています。

向上心が高く、新しい知識や技術を習得することに前向きな人

機械設計をつらいと感じるポイントの一つに「覚えなければいけないことが多い/常に情報をアップデートしないとついていけない」と記載しましたが、逆に新しい技術に触れることを好む方、新しい知識を身につけて自身の市場価値を高めていきたい方など、向上心の高い方にはとても楽しい環境です。
技術革新のスパンは業界や技術分野によって異なります。
一部の技術は急速に進化し、数年で広く普及する一方で、他の技術は数十年以上にわたって進化することがあります。
技術革新のスパンは短縮される傾向もあり、迅速な変化が期待される現代のテクノロジー環境においては、楽しく仕事が出来る環境があると言えるでしょう。

創造的な仕事が好きな人

機械設計は一部カスタマイズ品の設計だとルーティーン化してしまう可能性はあるものの、顧客のニーズに合わせたセミオーダー・完全オーダーメイド品の設計に携わることもあり、創造的な仕事が好きな方にとってはゼロからイチを生み出すような新しい設計にチャレンジできる環境は魅力です。

業務設計・納期管理が得意な人

機械設計はプロジェクトに納期があります。
納期内に業務遂行できるよう、プロジェクトの進捗状況をしっかりと管理出来る必要があります。
そのため、日ごろから社内外との調整業務の経験がある方や、物事を逆算して考える組み立てることが得意な方は向いています。

社内外問わずコミュニケーションをとるのが得意な人

機械設計はパソコンとにらめっこ、図面を引いていればOKというわけではありません。
営業担当や製造担当、クライアントとも時に連携しながら業務を遂行する必要があるため、コミュニケーション能力(傾聴力・説明能力など)が高い方に向いています。

機械設計に向いていない人の特徴

凹む男性

機械設計に向いていない人は、機械設計に向いている人の真逆と考えてもらうと良いでしょう。

機械設計に興味がない/モノづくりや新しい技術に楽しさを感じない人

そもそも、モノづくりに対しての興味関心がない場合は、機械設計エンジニアに向いていません。

専門的な技術を勉強することが苦痛/必要な知識やルールが覚えられない人

日々学ぶことが多い職種なので、勉強が苦手な方には向いていません。
また、日々進化する技術の動向にワクワクする心を持っていないと、継続的な勉強は難しいかもしれません。

ルーティーン系の仕事が好きな人

機械設計は決められた仕事をただこなすだけでは務まらない仕事です。
ルーティーン業務希望の方は、CADオペレーター(製図スタッフ)までは希望通りの仕事が出来るかもしれませんが、上流の業務になればなるほどルーティーン業務が減っていきます。

納期管理が苦手な人、締め切りに追われるのが嫌な人

プロジェクトには納期があります。
いつまでに業務を進めておく必要があるのかを考えながら、日々の業務設計が組み立てられない方には向いていません。
また、そもそも締め切りがある仕事にストレスを感じる方も向いていません。

社内外とのコミュニケーションが苦手な人

社内外での調整業務で折衝が必要となる場面も多々あります。
コミュニケーション能力が低い、人と関わる仕事は苦手という方は向いていません。

「機械設計が辛い」現状を変えるためにできること

成長

現在、機械設計エンジニアとして働いているものの「つらい…」と感じている方が、今を変える為にできることもまとめてみました。

自分の仕事のやりがいを見つける

自分の仕事の面白さを知ることからスタートしてみても良いかもしれません。

例えば、今携わっている製品のこれまでの技術変革やこれからどうなっていくのかという未来の展望を調べてみたり、自分が関わった製品が世の中でどれくらいの規模感でどのように使われているのかを知ることもやる気・やりがいにつながります。
BtoC製品の設計をしているのであれば、口コミ・レビューなどを見てみても良いかもしれません。

自分が設計した製品が”誰かのためになっている”ということの実感を得る為にはユーザーの声が一番わかりやすく、やりがいを感じやすいです。
ただ、良い点も悪い点も書かれる可能性があるのが口コミ・レビューサイトなので、たとえ悪い意見が書かれていたとしても落ち込むのではなく、次につなげるヒントをいただいたと思えるだけの強い心は必要となります。

勉強(知識・実務)に取り組んで自信をつける

機械設計にまつわる勉強や資格取得をすることで自信がつき、困難なことにぶち当たっても立ち向かえる強い心を養えます。
知識だけでなく、実務自体も上達するには、とにかく量をこなすことも大事です。
日々の仕事をこなすことが自身のスキルアップにつながると考えると、やる気も湧き上がってこないでしょうか?

資格を取得するなら…

機械設計に関する資格取得を検討中の方は、「機械設計職deレベルUP!~おすすめ資格~」という記事も併せてご参照ください。

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先輩や同僚と雑談をして気持ちを切り替える

会社の先輩や同僚などと仕事の合間に雑談をしながら気持ちを切り替えるのも大事です。
時には、今仕事で悩んでいることを打ち明けてみても良いでしょう。
同じような悩みにぶつかり、乗り越えてきた経験談などを聞けるかもしれません。
また、一週間を通して鬱々とした気持ちから抜け出せないようであれば、会社関係以外の友人と他愛もない話などをして気持ちを切り替えるのも良いです◎

どうしても仕事に対して後ろ向きになってしまう時の対処法

分岐点

現状を変える為に頑張ってきたにも関わらず心のモヤモヤが晴れない時は、職場や職種を変えることも検討してみましょう。

異動する

会社自体には不満はないけれど、仕事内容や職場の人間関係に対して不満がある場合は、異動を検討してみましょう。
会社自体は変わらないため、転職ほど身構える必要はありません。
どんな職種が自分に合っているのかは事前に社内のコネクションなどを使ってリサーチしておくと良いです。

ただ、必ずしも異動のタイミングや異動部署が希望通りになるとは限らないため、その点だけ注意しておきましょう。
会社によっては、事前の根回しが必要だったりもするので、異動経験のある先輩に話を聞いてみたり、上司に相談してみても良いでしょう。

長時間労働に対する不満はまず上司へ相談

労働環境以外に不満がない場合は、まず上司に相談をしてみるところから初めましょう。
異動先も同じような労働環境だった場合、異動自体が意味がないので、リサーチも忘れずに。

転職する

機械設計エンジニアとしてやっていきたいと思っているけれど、会社や取扱製品、労働環境・待遇面に関して不満を持っている場合は、転職を視野に入れても良いでしょう。
転職サイトやエージェントを利用すれば、部署の想定残業時間や想定年収もわかります。
希望と合致する求人を見つけ、エントリーしてみましょう。

なお、異業種・異職種への転職を希望する場合は、なるべく若いうちに転職活動をした方が選択肢が広がります。
理由としては、年齢が高ければ高いほど求めるスキルレベルが高くなり、同業界×同職種の経験者以外採用しない、という会社が増えてくるためです。

【参考:技術系転職サービス】
先端技術・イノベーション領域に強いエンジニア転職支援サービス【Kaguya】 機械設計の業務についていけないと感じた時の対処法

機械設計の業務についていけないと感じた時の対処法機械設計の業務についていけないと感じた時の対処法

メンタル不調でしんどい場合は休職という選択肢も

理由はわからないけれど気分が乗らない、仕事に行くのが億劫だ…という場合は、まずは一旦仕事から距離を置いたほうが良い場合もあります。
一度、メンタルクリニックなどに相談をしながら、今一旦お休みをして英気を養ってから同ポジションに復帰をするのか、異動や転職をするのかを考えても良いでしょう。

最後に

機械設計エンジニアは、覚えることが多く勉強をし続けなければならなかったり、責任のあるポジションなのに軽んじられたり、労働環境が悪かったりとマイナスに感じる部分も多いかもしれませんが、手に職を付けられる仕事であり極めればくいっぱぐれることはありません。
ベテランエンジニアになれば、60歳以上の方・定年間際の方も技術力を買われて転職することが出来ます。

覚えることが多いのも、日々進化をし続けている業界・職種だからこそです。
ここでふるいにかけられ、機械設計エンジニアの猛者たちばかりが残っていくため、市場価値の高い人材になれることは間違いありません。

人には合う合わないがあるため「みんな機械設計エンジニアを目指そう!」とは言えませんが、向上心が高く、何よりも「モノづくりが好き!」という方は、ぜひ機械設計でキャリア形成を目指しましょう。

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